緑のカプセルが乗っているスプーン
ウィルス

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌に感染することで発症する性感染症です。近年、日本国内で感染者が急増しており、2012年までは年間1000人を下回っていたものの、2015年には2000人を上回り、2018年には新たに7001人の感染者が報告されています。このように、梅毒は近年急増している性感染症なので、正しい知識を身に着けておくことが重要です。

梅毒の症状は、感染からの時期によって第1期から第4期に分けられます。第1期は、感染後3週間から3か月の時期のことで、感染部位に初期硬結と呼ばれる硬いしこりが発生します。初期硬結は、次第にただれた状態となり、硬性下疳という潰瘍へと発展しますが、初期硬結や硬性下疳は痛みなどの自覚症状はありません。そのため、感染に気が付かないケースが非常に多いとされています。症状が現れる部位としては、男性の場合は亀頭や包皮、冠状溝など、女性の場合は大陰唇や小陰唇などです。なお、第1期の症状は、治療を行わなくても2~3週間程度で自然に消失して、第2期の症状が現れるまで潜伏期間に入ります。

第2期は、感染後3か月から3年ほどの期間のことです。梅毒トレポネーマは血液の流れによって全身に運ばれて、体のあらゆる部位に発疹が発生したり、リンパ節が腫れたりします。第2期で発生する発疹は、多種多様なのが特徴です。その中でも最も早い段階で発生することが多いのが5~20㎜程度の大きさの発疹で、バラの花びらに似ていることからバラ疹と呼ばれています。バラ疹は数週間程度で自然消滅しますが、その後は皮膚から盛り上がった丘疹性梅毒疹という5~10mm程度の赤褐色の発疹が生じることが多いとされています。その他にも、梅毒性乾癬や扁平コンジローマ、梅毒性アンギーナと呼ばれる多種多彩な症状が現れますが、基本的に第2期で生じる症状には痛みやかゆみがありません。また、第1期と同じく治療を行わなくても自然に治まってしまい、再び潜伏期間へと入ります。

第3期は、感染後3年から10年の期間のことを指します。現代では、第2期までに治療が行われることが大半なので、第3期まで症状が進行することはほぼありません。第3期の主な症状としては、ゴム種と呼ばれる弾力のある腫瘍が、皮膚だけでなく骨や筋肉などに生じて、ゴム種が発生した周囲の組織が破壊されます。

感染後10年以上経過すると第4期へと移行します。この段階まで進行すると、臓器や血管、神経などに様々な障害が発生することで、日常生活を送ることが難しくなり、最終的に死に至るのです。なお、前述したように、現代においては第2期までに治療が行われるため、第4期まで進行するのは非常に稀です。しかし、梅毒は治療を行わないと確実に進行していき治療が難しくなります。そのため、少しでも異変を感じたら、検査を受けて治療を開始することが重要です。